第86章療養所での母の足跡

「ねえ、私たちが無事だって、あっちに知らせるのを忘れないで。メッセージでも何でも送って」レナが提案した。

「もう送った。けど電波がかなり弱い……いつ届くかはわからないな」キリアンは真剣な声音で答えた。

「レナ、次はどう動く?」

レナは黙り込んだ。その問いに、明らかに胸を痛めている。

「どうして今日ここへ来たのか、聞いてもいいか?」

目的が同じなのか、それとも違うのか――それが知りたくてたまらなかった。

レナは唇を噛み、相反する感情が顔に浮かぶ。

やがて、彼女は正直でいることを選んだ。「お母さんのことで来たの。詳しいことは……お願い、これ以上は聞かないで」

それ以上、彼女が話すつ...

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