第7章
拓也の寮の部屋を出てから、ベッドで二時間横になったけれど、眠気は一向に訪れなかった。あの会話が頭の中で何度も再生され、考えれば考えるほど、息が詰まるような感覚に襲われた。
とうとう私は起き上がり、静かに寮を抜け出してコンピュータ室へ向かった。そこだけが、私が本当に落ち着いて、冷静に思考できる場所だったから。
深夜の研究室は、無機質な蛍光灯の光に照らされていた。目の前には三枚のA4用紙が広げられ、びっしりと書き込まれた図表やデータ、分析結果で埋め尽くされている。これが、複雑な問題を解決するための私のやり方。あらゆる情報を整理し、根本原因を突き止めるのだ。
「コミュニケーション頻度分...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章

6. 第6章

7. 第7章

8. 第8章

9. 第9章


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