第151章

綾辻絃葉視点

 パーティーを終えたあと、霧島雲が私を家まで送ってくれた。

 車内は、やけに静かだった。

 私は俯いたまま、指にはまった指輪を見つめる。そっと撫でると、いろんな記憶が胸の奥からせり上がってきた。

 名残惜しい。けれど、分かっている。この指輪は、私のものじゃない。

 いつか父の遺した特許を正式に継げたら……そのときは、霧島雲から買い戻せるかもしれない。

 深く息を吸って、ゆっくりと薬指から指輪を外した。

 そして、霧島雲へ差し出す。

「これ……返します」

 霧島雲は眉をわずかに上げ、横目で私を見た。

「どういう意味だ?」

「あなたのものです」

 霧島雲の表...

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