第17章 助け舟を出す

綾辻絃葉視点

「イケメンじゃん。しかも仮面とか、ミステリアス~。ねえ、外してくれたら2万あげる。どう?」

遠野瑛士は彼女らを一瞥しただけで、氷みたいに淡かった。微動だにしない。

私はというと、妙に気持ちが昂って、小声で煽ってしまう。

「外しなよ! 2万だよ!」

私がもどかしくて、今にも自分の手で仮面を剥がしにいきそうになった、そのとき。

「10万! 仮面外して、服も脱いで。見せてよ」

息が詰まった。そこでようやく気づく。

……あ、これ、引いて見せて、釣り上げるやつ。

さすが、長年“そういう界隈”で生きてきた男。ちょっと黙ってるだけで、10万が降ってくる。

私が彼を見る。彼...

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