第39章 利用

霧島雲視点

綾辻真之が、俺に言った。

「ママをさらった連中が連絡してこない理由はひとつしかないよ。罠を張って、君を一撃で仕留めるつもりなんだ」

「梨花町でも、俺たちが割り込まなかったら君は死んでた」

俺はわずかに眉をひそめる。その推測は、俺の考えとぴたり一致していた。俺も同じ結論に辿り着いていた。

スラム街の地図を広げ、テーブルに置く。指先で、可能性の高い箇所をいくつか示した。

「このあたりだ。お前の言う通り、人が少なくて、場所も外れてる。身を隠すにも、仕掛けを用意するにも都合がいい。……ここは元教会だったらしいが、原因不明で荒れ果てて、その後は実験施設として使われた。ウイルス漏...

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