第41章 クソガキ

霧島雲視点

 遠野陽はもう怒りを抑えきれなかったのだろう。葉山野平の身体を容赦なく蹴りつけ、ひねるように拳銃の銃口をこちらへ向けた。だが、その瞬間にはもう――俺の正面に、警察用の防弾盾が立ち上がっていた。

「――あのクソガキ、俺を騙しやがって! チップは、もう手に入れたのか!」

 遠野陽の問いに、俺は黙って頷く。頷いたはいいが、胸の奥に引っかかるものがあった。

 チップは、いったいどこへ消えた?

 遠野陽の身にもない。葉山野平の身にもない。となると――綾辻真之が持っている可能性が高い。

 そう考えた途端、逆に少しだけ冷静になれた。どこにあろうと構わない。少なくとも、目の前の二人の...

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