第43章 人の心

 霧島雲視点

 誰だって家がある。親がいる。

 そう思えば、胸が熱くならない者なんていない。

 目の前で小さな女の子が、あんなふうに悲痛に泣きじゃくっている。心が痛まないはずがなかった。

 それでも、誰も口を開かない。

 全員の視線が、刺すように俺へ集まっている。俺の判断を待っているのだ。

 正直、意外だった。

 あの子は、過去にはもっとひどい暮らしをしてきたのだろう。だから今の生活ですら、彼女にとっては「幸せ」なのだ。

 俺は葉山野平へ歩み寄った。ここは――攻めどき。

 この機を逃せば、引き出せる情報も引き出せない。

 今のこいつの胸中は、きっとぐちゃぐちゃだ。

 だ...

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