第45章 抹茶ケーキ

綾辻絃葉視点

 翌日。

 病院のベッドに寝転び、テレビをぼんやり眺めながら――最高にのんびりしていた。

 そこへ、病室のドアがガチャッと開く。

 ここはVIP個室。患者は私ひとりで、待遇も至れり尽くせりだ。

 だから当然、朝食を運んできた看護師さんだと思った。

「ありがとうございます。お疲れさま――」

 言い切る前に、目に入ったのは別の人物だった。

 顔にはマスク。左手に花束、右手にケーキの箱。

 一瞬ぽかんとして、次の瞬間には顔がぱっと明るくなる。

「遠野瑛士! 来てくれたの?」

 遠野瑛士は肩をすくめた。

「ニュースで、お前が誘拐されたって見たから。様子見に来た」...

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