第63章

綾辻絃葉視点

三人はまるで私なんて最初からいないみたいに、完全に無視していた。今さら事情を説明しようにも、口を挟む隙すらない。

佐崎山拓が立ち上がり、どうやら私を待つつもりだったらしい。けれど松本春子が彼を押しやってしまった。

結局、私は彼らのあとについて外へ出るしかなかった。幸い、今の私には多少の持ち合わせがある。神田亨介を数十万で付き合わせるくらい、不可能じゃない。

金を払って、彼の貸しを一度で清算する。それで終わり。もう借りなんて作らない。

そう考えた瞬間、私はもう弁解するのをやめると決めた。

外に出ると、松本春子が即座に場を仕切り始めた。四人に運転手を入れて、車はちょうど...

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