第64章

綾辻絃葉視点

それでもやっぱり遠野瑛士に会いたくなって、私はVIPルームを出た。

松本春子は私と同い年くらいなのに、ずっと大人びた格好をしている。黒の胸元が大きく開いたキャミソールドレスに、裾はかなり短め。脚には裏起毛の黒いストッキング。外ではトレンチコートを羽織っていたが、室内に入るなり脱ぎ捨て、妖艶な装いをあらわにした。

豊満な身体つきに、整った顔立ち。あの格好では確かに目を引く。男はもちろん、私ですらつい目を奪われてしまうほどに。

性格はあまり好きになれない。けれど、自信満々でいられるだけの理由があることは、認めざるを得なかった。しばらくして、松本春子が数歩進んだところで、背後...

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