第65章

綾辻絃葉視点

松本春子の言葉を聞いた瞬間、胸の奥がすとんと冷え切った。あの子は普段から増長しきっているせいで、石川成浩がどれほど危険な男か、まるで分かっていない。

ああいう裏社会の人間は、十中八九、手を血で汚している。しかも最悪なのは、そもそもこの騒ぎの発端が彼女自身だということだ。

なんて馬鹿なの。

遠野瑛士に助けを求めるべきだろうか。

でも、もし遠野瑛士でも石川成浩を抑えられなかったら――。あれだけ私を助けてくれた人を、これ以上危ない目に遭わせたくなかった。

石川成浩は視線を松本春子へ移した。

「俺が違法だと? いいぜ。だったら、きっちり違法ってやつを見せてやる。お前も、お...

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