第13章

「本部が君を分室の引き継ぎに寄越したわけだ。……なるほど、優秀だな」

東雲相馬の視線は、最初から最後まで榎本日織から外れなかった。

そこにあるのは、隠そうともしない称賛――そして、あまりにまっすぐな好意。

榎本日織が顔を上げると、東雲相馬の瞳とぶつかった。

優しくて、深くて、触れたら溺れてしまいそうな眼差し。

日織は咳払いをひとつして、きっぱり視線を逸らす。声色も意識して距離を置いた。

「異論がないなら、明日から動きましょう」

「……ああ」

東雲相馬は頷いた。

けれど、彼女がわざと見ないようにしているのが分かったのだろう。ほんの一瞬、表情が陰る。

何か言いかけた彼より早く...

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