第14章

「やっぱり、君なら大丈夫だと思ってた」

東雲相馬は榎本日織を見つめ、笑みを浮かべた。澄んだ瞳には、彼女の姿しか映っていない。

榎本日織は反射的に視線を外し、話題を変える。

「じゃあ、片づいたし私は帰るね。あとは連絡待ちになると思う」

「やれることは全部やったからな」

東雲相馬は小さくうなずいた。

「送るよ。ちょうど帰り道が同じだし」

断りづらく、榎本日織は少し迷った末にうなずいた。

車内は静かだった。

榎本日織はもともと口数が多いほうじゃない。まして東雲相馬は、彼女への好意を隠そうともしない。

だから乗り込むなり、榎本日織はシートに背を預けて目を閉じ、眠ったふりをした。

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