第21章

「うん。一緒に行く」

東雲相馬は異論を挟まず、黙って榎本日織の後ろについていった。

研究所に着くなり、日織は全員を呼び集め、緊急の会議を開いた。

最前列に立ち、居並ぶ面々を見下ろして、声をきっぱりと落とす。

「今日の会議で言うことは一つだけ。私がいない間、東雲相馬が『エリザベス』よ。私の身分は、当面外に漏らしたくない。いいわね?」

理由は分からなくとも、全員が頷いた。

「榎本さん、承知しました」

日織は小さく頷き、散会を告げると自分から先に会議室を出た。

――『エリザベス』は切り札だ。よほどのことがない限り、交換材料にするつもりはない。

根を張り切る前に切り札を晒せば、取り...

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