第23章

「当時の選択は、全部お前が決めたことだろ。今さら白々しい真似をするな!」

千堂誠也は容赦なく言い放つと、先に自分の別荘へ踏み入れた。

榎本日織は腹の底が煮えくり返っていた。だが――千堂家へ足を踏み入れた途端、怒りだけでは済まなくなる。胸の奥が、じわりと痛んだ。

ここは、かつて自分の家だった。

庭の小道も、玄関の灯りも、窓から見える木々の影も。いちいち覚えている。

室内の調度品は、ほとんど動かされていない。日織が出ていった頃のまま――まるで時間だけが置き去りになっていた。

喉が小さく鳴り、目の奥が熱くなる。

見慣れた間取りを追ううちに、当時の空気が鮮明に蘇ってきた。

日織は誠也...

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