第34章

「上玉だってよ。川島家に楯突かなきゃ、俺らのところに回ってくるわけねえ」

「今回つないだのは俺だぞ。だったら一番は俺だ。誰も俺から取るんじゃねえ」

「まあまあ。ちゃんと全員分あるって。焦んなよ。今日は朝まで楽しめる」

下品な笑い声が途切れずに流れてきて、榎本日織の胸がひゅっと冷えた。

――これが、川島羽美の言っていたサプライズ。

腹の底で罵りながら周囲を見回す。隠れられる場所はどこにもない。

日織は迷う暇なく踵を返し、適当に選んだ方向へ走り出した。

だが遅かった。遊び慣れた不良の若者たちが、すでにこちらへにじり寄っている。数歩も行かないうちに、目の前を塞がれた。

先頭の男は、...

ログインして続きを読む