第39章

「用が済んだら捨てる……それがお前の昔からのやり方か?」

千堂誠也の視線が、じわじわと冷たさを帯びていく。狙いを定めたみたいに、榎本日織から一瞬も逸らさない。

本当は――日織が目を覚ました頃には、彼もすでに起きていた。

ただ、彼女が何をするつもりなのか見極めたかった。だからずっと目を閉じたまま、好きにさせていたのだ。

誠也には分かる。榎本日織は、表面で装っているほど自分に情がないわけじゃない。

昨夜、彼があんな屈辱的な言葉を吐いたというのに、それでも彼女は彼の横暴を止めなかった。

それに――あの時、彼女は完全に正気じゃなかったはずだ。なのに、呼んだのは誠也の名だった。

彼女の夫...

ログインして続きを読む