第42章

「ごめんね、涼太、優斗。ママのせいで巻き込んじゃった」

榎本日織は心の底から後悔していた。あのとき帰国なんて、するべきじゃなかったのだ。

自分が千堂誠也に恨まれるのはいい。けれど、子どもたちは何ひとつ悪くないのに、自分のせいで同じ仕打ちを受けている――それが許せなかった。

「ママ、何言ってるの? ママは僕と優斗に、悪いことなんて何もしてない。僕たちは知ってるよ。ママが僕たちをすごく愛してるって」

涼太は少し大人びていて、日織の不安を察したのだろう。やわらかな声で母を慰めた。

日織は、いわゆる「普通のお母さん」とは少し違う。幼い頃に二人の特別さに気づいた時点で、身の上のことを包み隠さ...

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