第50章

「分かったよ、ママ」

涼太と優斗は目を合わせ、しょんぼりと頭を垂れて小さく返事をした。

二人は苦虫を噛み潰したような顔のまま、にんじんに箸を伸ばす。まるで毒でも口にするみたいだ。

榎本日織は思わず苦笑したが、構わず見守った。ビタミンはきちんと摂らせなければならない。

そんな中、千堂誠也はわざとらしく椀の中からにんじんだけを器用に選り分け、どこか誇らしげな表情を浮かべた。万衆の視線を集める整った顔に、初めて子どもっぽい得意げな色が滲む。

それを見た涼太と優斗は、心の中で自分たちのクズお父さんを思いきり罵った。

そして、あまりにも手慣れたその「作品」を前に、二人は同時に榎本日織へ訴え...

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