第63章

「こっちの問題が片づいたら、すぐに送金する」

榎本日織が何か言い返す間もなく、電話の向こうでコンコンとドアを叩く音がした。

先生は日織を見て、困ったように笑う。

「日織、悪いが今ちょっと立て込んでる。時間ができたらこっちから電話するよ。これまで本当に苦労をかけたな。せっかく帰国したんだ、涼太と優斗も連れて少し遊びに行ってきたらどうだ」

「君はもう十分、俺の誇りだ。自分に厳しくしすぎるな。じゃあ切るぞ。また連絡する」

そう言うなり、先生は慌ただしく通話を切った。

日織はろくに言葉を交わせないまま、電話はぷつりと途切れる。

頭痛がする。さっきの先生の様子を思い出し、彼女は「身体を大...

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