第69章

「安心して。前は私の気配りが足りなかった。これからはもっと気をつけるわ」

黒崎正明は曖昧に相槌を打ちながら、頭の中で慎重に思案を巡らせた。

榎本日織――いったい、何者だ?

千堂誠也だけじゃない。エリザベスまで、わざわざ彼女に目をかけている。

自分がまだ、彼女の手札を引き出せていないだけなのか。

黒崎正明が何を考えていようと、東雲相馬は任務を終えた。

続けて黒崎杏の状況をいくつか念押しし、そのまま立ち去る。

黒崎正明は、遠ざかる背中を見つめたまま、言葉もなく目を細めた。

……

その頃。

三日三晩、ほとんど眠らずに調整を続けた末、榎本日織はついにチームを率いて目下のボトルネッ...

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