第11章

白井紗夜がいったい何を企んでいるのかは分からない。だが――倉持寧音のための血液パックだけは、十分に確保させなければならない。

そう考えた杉山海斗は、寧音の手を離し、すっと立ち上がった。

「寧音、ちょっと用事がある。ここで景色でも見て待ってて。10分したら迎えに来る」

10分あれば、紗夜から事情を聞き出せる!

「用事? 何の用事なの?」

倉持寧音は、杉山海斗が「用事」と口にしただけで、反射的に白井紗夜の顔が浮かぶようになっていた。

昨夜、千堂暁が人を寄越して届けてきた小型カメラのことを思い出す。寧音は海斗の腕を引き留め、黒いボタン型の装置を彼のベルトに吸いつけた。

小さくて、ぴた...

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