第166章

「あっ……」

「これ? さっきメイクしてるときに何か触れちゃって、かぶれたのかも」

杉山海斗は白井紗夜のうなじをじっと見つめた。終わり際、上原寅生が名残惜しそうに、そこへ強く吸いついた――その光景が脳裏をよぎる。

白井紗夜は慌ててうなじを押さえ、適当な言い訳を重ねた。

杉山海斗は、彼女の表情にどこか後ろめたさを感じ、もう一言問いただそうとした――その瞬間。

司会が開宴を告げ、場の空気が一気に切り替わった。

     *

倉持寧音は白井紗夜のもとを離れると、約束どおり隣の部屋へ向かった。

「寧音、久しぶりね。……小さい頃より、ずっと綺麗になったじゃない」

個室では、華香と千堂...

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