第18章

倉持寧音のほう。

エレベーターの扉が開き、彼女は車椅子を押して部屋へ戻った。荷物をまとめようとした、その瞬間――杉山海斗がいきなり彼女の身体を抱き上げる。

そして、隣の主寝室。大きなベッドの上へ、そっと降ろした。

「寧音。明後日、ばあさんの八十歳の祝いだ。南山から家に呼び戻す。もし本気で白井紗夜が嫌なら、あいつを杉山家の屋敷に回す。ばあさんの世話にさせればいいだろ?」

ベッドに寝かされたまま、寧音の上へ海斗が身を屈めてくる。

力は抑えている。彼女を囲い込むのに、痛みは与えない――けれど、逃げ道は奪う。

灼けるような視線が、昏い灯りの下の睫毛の影をなぞり、潤んだ唇へ落ちた。

堪え...

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