第23章

杉山家の邸宅。

午前2時。

倉持寧音と前田美香は同じ部屋で眠っていた。窓の外から月明かりが差し込み、床に銀色の膜を張る。

寧音は、隣で眠る美香の呼吸を聞きながら、どうしても目が冴えてしまっていた。

お腹の子は昼夜が逆転しているのか、昼間はおとなしいのに、夜になるとときどき腹の内側から蹴ってくる。

それに妊娠後期だ。水なんて大して飲んでいないのに、しばらくすると我慢できずトイレに行きたくなる。

普段ひとりで寝ている時なら、起きて自分で行けばいい。だが今夜は美香と一緒だ。起こすのは気が引けて、寧音はただじっと耐えるしかなかった。

一方その頃――美香の部屋の真上、二階の一室。

杉山...

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