第27章

「おばあさまが紗夜を気に入ってくださるなら――それはあの子の幸せだ」

「俺が惜しむわけないだろ」

結局、杉山海斗は白井紗夜を前田美香のもとへ回すことを承諾した。

今日は祖母の八十歳の祝いだ。年長者が年少者に介護士をひとり所望している以上、内心どうあれ断れる空気ではない。

「紗夜、聞いたわね? 海斗が自分の口で、あなたを私に任せるって言ったのよ。これから何かあったら、何でも私に言いなさい。寧音のところにまで持ち込んで騒がせないで」

前田美香は満足げに頷き、背後の白井紗夜へと顔を向けた。

露骨な牽制だった。

妊娠のことを倉持寧音に知らせるな――安心して子どもを育てさせろ、という警告...

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