第31章

「親子鑑定も終わったんだ。今夜はゆっくり休め」

杉山海斗は、白井紗夜の身体からあの独特の香りを感じ取れなかった。考える間もなく、彼女を押しのける。

白井紗夜も、香を焚いていない以上――素の自分だけじゃ、杉山海斗を引き留めきれないことを分かっていた。

怒らせるわけにはいかない。押しのけられても大人しく、行儀よくベッドに腰を下ろす。杉山海斗が部屋を出ていってから、ようやく彼が持ってきた栄養食の包みを開けた。

御千亭の料理だ。値段が張るだけじゃない。味も格別。

白井紗夜は写真を撮り、SNSに投稿した。倉持寧音の目に入ろうが入るまいが関係ない。今日はどうしても――祝っておきたかった。

『...

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