第38章

千堂暁は、自分が嫉妬しているなんて絶対に認めなかった。

口調は冷たく硬いまま。それでも視線は結局、倉持寧音の脚へ落ちる。

身をかがめ、彼女の前にしゃがみ込む。

手袋をはめ、そっと皮膚の上から押さえた。

「どう? ここ最近の分、前より脚に力が入る感じはある?」

「もう一回、脚を持ち上げて。動かせるか確認しよう」

千堂暁は医者だ。胸の内にどんな感情があろうと、患者に向き合う時は厳密でなければならない。

一瞬の気の緩みも許されない。

「前より力が出てる気はします」

「持ち上げられるけど……下ろすのを自分でコントロールできません」

千堂暁の指示どおり、倉持寧音はぐっと力を入れて脚...

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