第44章

「電話をくれさえすれば、私はあなたを放っておいたりしない」

「……あなたは今、千堂暁のことばっかり考えてるじゃない!」

以前なら、倉持寧音にそう詰め寄られた時点で、杉山海斗はすぐ謝って、千堂暁にも頭を下げていただろう。

だが今の彼のスマホには、倉持寧音と千堂暁が親しげに過ごしている動画が入っている。

動画の中で、二人が一線を越えた様子はない。

それでも――寧音は千堂の前だと、明らかに笑顔が弾んで見えた。

胸の奥で、不安が膨らむ。

彼女はもう、自分を愛していないのではないか。

海斗は動画を再生し、その画面を寧音の目の前へ突きつけた。

「おまえは、俺の妻だ」

「千堂暁をかばう...

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