第48章

前田美香が倉持寧音へ視線を走らせた瞬間、反射的に彼女の手首へ目が吸い寄せられた。

そこには、以前自分が贈った玉の腕輪がきちんと嵌まっている。

その確認だけで、胸の奥に引っかかっていたものがほんの少しほどけた。

「おばあさまは、私に何をしてほしいんですか」

「寧音ができることなら、それでいいの」

杉山家で暮らしてきたこの一年、倉持寧音がいちばん好きだったのは前田美香だった。

会った回数も、過ごした時間も多いとは言えない。

それでも――なぜか、他の誰とも違う。そう感じてしまう。

杉山海斗が寧音を抱き上げ、美香の隣のソファへ降ろした。

寧音は服の乱れを整え、何気なく室内に目を向け...

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