第50章

上原保美は、倉持寧音が千堂暁を避けているのに気づいていた。

何があったのかは分からない。

ただ、二人の間にどこかぎこちなさが漂っている。

「うん、千堂先生はいい人だよ」

倉持寧音自身、千堂暁が自分に親切にしてくれているのは分かっている。

けれど、それはきっと――患者なら誰にでも同じなのだろう、とも思っていた。

ほどなくして。

宮下家の大邸宅が視界に入った。

杉山家の旧邸とは違い、宮下家の邸宅は市内でも最も華やかな一等地に構えられている。

警備は厳重で、出入りは徹底して管理されていた。

車は何重もの確認を受け、ゆっくりと敷地内へ入っていく。

執事が新しい車椅子を押してきて...

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