第54章

「ちょうど今日、用事がありまして……お休みをいただけますか」

リハビリ室の看護師は、まだ理由まで言い切っていなかった。

千堂暁が先にまぶたを持ち上げる。

「何かあったのか? どうして急に治療を中断する」

「倉持さんが、旦那さんと一緒にベビー用品を買いに行くそうで……今日は来られないと」

看護師はそう告げた。

そのあとも何か続けていたはずだが、千堂暁の耳には入らなかった。

倉持寧音のほうは――。

彼女は杉山海斗とショッピングモールを歩き回り、ベビーベッドにベビーカー、それから新生児用の服まで選んでいた。

「……どうして青なの?」

倉持寧音は、杉山海斗が手に取った青い新生児服...

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