第58章

「倉持寧音さん……お願いです、弟を許してあげてください。まだ若くて分別がなくて……私のために、私が言ったせいで、あなたのところへ行ったんです。和解書さえ書いていただけるなら、私は何でもします。あなたが望むもの、全部差し出します」

白井紗夜はそう言い切ると、涙を頬に貼りつかせたまま、机の向こうにいる杉山海斗へと、頼りなく視線を投げた。

「杉山さん……お願い、助けてください。寧音の世話を……半年以上してきたんです。その分だけでも……弟のこと、今回だけは見逃してもらえませんか」

杉山海斗の声は淡々としていた。

「窃盗に、誘拐未遂、殺人未遂。併合罪で処罰される。白井勇樹は、今回は確実に刑事責...

ログインして続きを読む