第59章

彼女が彼の個人資産を根こそぎ掘り尽くしたら、次は株式の清算だ。

「いい。行きたいなら、俺が付き合う」

杉山海斗は白井紗夜に一瞥もくれず、倉持寧音の車椅子を押してその場を離れた。

倉持寧音はわずかに首を傾け、白井紗夜の顔に視線を落とす。

そして、そっと手を伸ばして杉山海斗の手の甲に自分の手を重ねた。

白井紗夜は白井勇樹の件を片づけたうえ、杉山海斗から「これからは毎週会いに来る」と改めて言質まで取った。

その手が杉山海斗の手の甲に置かれたのを見た瞬間、白井紗夜の目がぬらりと陰る。

……たかが別荘が数棟。大した額じゃない。

杉山海斗の本当の財産は、杉山グループの株から生まれる配当だ...

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