第64章

娘の別荘の最後の支払いを済ませたばかりで、手元にはもう大して残っていない。

杉山海斗は橋本礼子に電話をかけた。

「海斗? 珍しいじゃない。あんたが私に電話してくるなんて」

「で、何の用?」

橋本礼子はまだ麻雀卓の前だった。

この前、倉持寧音と顔を合わせて、白井紗夜の家柄までみっともないと知ってからというもの、何をする気も起きない。

海斗は苛立ちを隠さず切り出した。

「孫が欲しいって言うから、白井紗夜を家に置いたんだろ。そしたらあいつら一家、毎日どうにかして金をせびってくる」

「会社まで一つ作ってやった。今ちょっとキツいんだ。10億、回してくれ」

橋本礼子の手元に大金があるの...

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