第9章

「あなたのが本物なら……杉山奥さまのほうは、いったい……」

菊池優実は、白井紗夜が妙に確信めいた顔をしているのを見て、どちらが本物でどちらが偽物なのか判然としなくなった。戸惑いながら、倉持寧音へ視線を投げる。

白井紗夜は心の中で冷たく笑った。

――倉持寧音。やっと、一度だけでも勝てた。

こんな大勢に見られて、堪えるでしょ?

その味、ゆっくり噛みしめてよ。

「勘違いですよ。介護士さんのは最高級魚の浮き袋じゃありません。あれはホンニベの浮き袋です。本物の最高級魚の浮き袋は、杉山奥さまのほう。……とはいえ、そのホンニベも最高級魚の十分の一ほどの値段でも栄養価は高い。うちの母も、僕には月...

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