第6章
窓の外では東京の夜景が灯り始めていた。ゆっくりと目を開けると、体中の力がすべて吸い取られたかのような脱力感と、それでいて不思議な満足感に満たされているのを感じた。
「起きた?」
隣から月島正海の優しい声が聞こえる。
「気分はどう? 疲れたかな?」
私は顔を横に向けてデジタル時計を見ると、まだ七時にもなっていなかった。
数時間前の出来事を思い出し、途端に顔に熱が込み上げてくる。
私は布団を引き上げ、目だけを覗かせて、彼と視線を合わせる勇気が出なかった。
「起きたくない?」
月島正海が軽やかに笑う。
彼はシャワーから出たばかりのようで、腰にバスタオルを一枚巻いただ...
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