第37章 ギャップが大きすぎる

静まり返った食卓で、佐藤橋と西村修は黙々と向かい合っていた。

西村修はいつものように口数が少なく、一方の佐藤橋は食事に夢中だ。箸を噛み締めながら、ああ、やはり男の心をつかむには胃袋からだわ、と内心で嘆息する。

この一食で、佐藤橋の心には西村修と結婚したいという強い思いが芽生えていた。

——愛情なんて、食欲の前では無力なのだから!

「西村さんの料理がこんなに美味しいなんて、見た目とのギャップがすごすぎますね……」佐藤橋はブロッコリーを口に運びながら、ぼそりと賞賛の言葉を漏らした。「てっきり、こういう繊細な料理は女性にしか作れないものだとばかり――」

そこまで言って、佐藤橋は自分の言葉...

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