第47章 男、あなたは冷血すぎる

ここ数日、佐藤は西村に対し、豆乳はコーヒーより栄養があるとそれとなくアピールし続け、ご丁寧に豆乳メーカーに手書きの使用方法まで貼り付けておいた。

彼がちらりとでも見てくれるか、あるいは試してくれるかと期待していたのだが、西村は妙に無口で、キッチンにすら入ってこなくなった。

西村はさらに寡黙になり、朝の日課だったジョギングさえもやめてしまった。佐藤は彼の機嫌が悪いだけだと思っていたが、ある朝、洗面所のゴミ箱に血の付いたガーゼと縫合糸が捨ててあるのを見つけてしまった。

西村が怪我を?

佐藤の心臓がどきりと跳ねる。こっそりとリビングを窺うと、西村はソファにゆったりと身を預け、目を閉じて休ん...

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