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第三十二章――答え

アポロはライカンから二十フィート離れた場所に立ち、相手を真正面から見据えていた。伝説によれば、ライカンは狼の姿になるとより凶暴化するというが、このライカンは狂乱しているように見えた。

「なんだありゃあ!」ワイルダーがそう叫びながら俺たちの方へ移動すると、ライカンは彼に向かって怒りの唸り声を上げた。

ライカンは鼻をひくつかせ、状況を見定めるようにあたりを見回した。その目は渦巻く銀河を思わせ、黒曜石のような黒にキラキラとした斑点が散っていた。ドムが、まるでそのライカンを守るかのように、九フィートもの巨躯を誇るライカンとアポロの間に割って入った。アナベス叔母さんのアルファウルフ...

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