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第十三章 癒やし

「ストライカーがあなたと一緒に行きたがってるわ」クリスは私の隣に立つ、錆び色の大きなベータの狼を指差しながら言った。「その方がアルファ・マックを早く感知できるかもしれない」

「わかった」。私は頷くと、すぐにシフトした。クリスがくれたシャツが、ばらばらに引き裂かれる。

ストライカーはキャンと一声鳴いて駆け出した。私もすぐさまその踵を追う。倒木にたどり着くと、彼は立ち止まってあたりを嗅ぎ回った。そして再び走り出す。ストライカーとマインドリンクできたらどんなにいいだろう、と心から思った。聞きたいことが山ほどあったのだ。

きっと彼は無事なはず。だって、もし何かあったら私には感じられ...

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