26

第二十六章 —— カトゥーンバ

シャワーから出て、タオルを体に巻きつけた。スイートには注文しておいた食事の匂いが漂っており、メイトがシャワーに入ってこなかったことに私は驚いていた。食事が届けば、きっと彼も来るだろうと確信していたからだ。

部屋はもぬけの殻だったので、彼は少し外へ出たに違いない。私は荷物を漁って清潔な下着を見つけると、彼のシャツを一枚羽織ってくつろぐことにした。お腹が空いてぐうと鳴ったが、彼なしで食べ始める気にはなれなかった。窓の外を見ると、湾が夕日の柔らかな光に包まれて美しく輝いていた。

『どこにいるの?』私はメイト・リンクを通して呼びかけた。

返事はない。

『もしも...

ログインして続きを読む