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第三十一章――与えられし者

マック視点

「行ってもよろしいでしょうか? どうか……。何も言わないと誓います」地面に残された戦士が懇願した。彼は、自分のデルタが息もできずにもがき、痙攣し、地面に力なく倒れるのを見たばかりだった。

「行け。だが、アクセルに何が起きたか伝えろ。そして、俺が奴を追っていると告げるんだ」俺は唸るように言った。

「はい、アルファ」彼は素早く立ち上がると、自分のデルタを一瞥だにせず、慌てて逃げ去った。

「君は神々の寵愛を受けているんだな」マテオが畏敬の念を込めて俺の伴侶を見つめながら言った。俺たちは、キャシーがデルタの肺から空気を抜き取る様を目の当たりにしたのだ。

「私...

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