33

第三十三章 我が家

「父さん、まずは診療所へ行ってケンドラ先生に診てもらいましょう」とマイケルが父親に言った。

「先に診療所へは行かん。まずはお客様にご挨拶せねば。この時を二十年も待ったのだ。これ以上は待てん」アルファ・クロウはそう言うと、それが母のことを指しているのだと私は気づいた。

「わかった。でも、彼女に会ったら、すぐにケンドラ先生のところへ行くんだ」私のメイトは言った。

私たちの群れの縄張りへと続く道のりは、息をのむほど美しかった。松の木は一年中青々と生い茂っているが、他の木々はまだ赤やオレンジ、黄色の美しい色合いを残している。ギリシャも大好きだったし、定期的に訪れたいとは思うけれど...

ログインして続きを読む