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第五章 ―― マヤ

「ルナ・マヤ・パックの皆よ、今宵は我らが同胞の帰還を祝おう。マテオ・ラファエロは十七歳で我らの元を離れたが、こうして戻ってきた。彼はその功績をもって、我らつつましきパックに栄誉をもたらしてくれた。『アルファの中のアルファ』の戦士長であり、アルファ・アレスの重鎮たる助言者でもある男だ」

群衆から割れんばかりの拍手が湧き起こった。

「そして誇りを持って報告しよう。私の長女パオラが、ついにマテオという伴侶(つがい)を見出したことを。今宵、月の女神は我らに微笑んでおられる。祝いの宴を始めよう。ビバ・ディオサ・デ・ラ・ルナ(月の女神万歳)!」

彼は高らかにそう叫ぶと、杯を...

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