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第六章――文化

俺たちは博物館を出て、午後はトゥルムのダウンタウンを屋台の食べ歩きツアーで過ごした。セマナ・サンタの休暇で国中のほとんどが休みに入り、春休みの学生たちや海外からの旅行者も加わって、通りは活気に満ち溢れていた。人間の、活気に。

ユードラは、明日の午前中の遅い時間に図書館で会うことを承諾してくれた。博物館からそう遠くない場所だ。俺の思考は、何度も彼女の元へと漂っていく。彼女の黄金色の蜂蜜のような瞳は、夕焼けを思わせた。彼女の笑い声が頭の中で響いていた。

「こちら地球、アレス応答せよ」ワイルダーの声に思考を遮られ、俺は瞬きをした。

「グリンゴス・タコス、試してみるか?」と彼が訊ねた...

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