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第十章 ― ドライブ

ホテルのレストランで、俺は一人、朝食のテーブルについていた。ガラス窓は開け放たれ、眼下に広がる青い海原から新鮮な朝の風が吹き込んでくる。昨日の出来事を頭の中で反芻し、誰かに話すべきかどうか迷っていた。だが、今の任務から気を逸らせたくはない。自然神の祝福を求めるという、この任務から。

ウェイターがコーヒーと水を注ぎ、俺の注文を取った。そこへワイルダーがやって来て席に着き、大量の朝食を頼む。昨夜は一睡もしていないような顔だ。間違いなく、またどこかの人間の女を口説き落としてベッドに連れ込んだのだろう。やがてマテオとパオラも挨拶をして、朝食の席に加わった。

「昨晩はいかがで...

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