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第二十一章 罪

ユードラ視点

私らしくなかった。行きずりの関係なんて、よく知りもしない相手と寝るなんて、本当に私らしくないことだった。私は罪人なんかじゃない。でも、あれほど強烈なオスとしての磁力を放つ相手には、これまで一度も出会ったことがなかったのだ。

アレスは私を魔女だと言ったけれど、私に魔法をかけたのは間違いなく彼の方だ。彼の瞳を覗き込んだその瞬間から、私の中の何かが彼に引き寄せられた。そばにいたい、話したい、触れたいという、どうしようもない衝動。これは普通じゃない。きっと彼は、人を惹きつけるアルファ特有の魔法か何かを持っているに違いない。

彼のことを考えずにはいられなくて、自分自身...

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