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第二十八章 波

ひと走りした後、俺たちはマヒナ・エレエレの皆の厚意に礼を述べ、リゾートへ戻る準備をした。ユードラの顔色が少し優れず、彼女のオーラにどこか不安の色が混じっていることに俺は気づいていた。吐き気がするのか、それとも単に疲れているだけなのだろうか。

帰りの車にはワイルダーも同乗し、ひっきりなしに喋り続けていた。運転を担当する群れの戦士が、俺のわずかな相槌を交えながら、どうにかワイルダーの会話の相手をしてくれていた。ユードラは黙り込み、物思いに耽っているようだった。俺はハプナ医師から渡された大きなビタミン剤のボトルを握りしめていた。ユードラに一日二回飲ませるようにとの指示付きだ。

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