第45章 本当に淫らだ

藤井謙信は冷静な表情で、涼しげな瞳で朝本ヒカリを睥み付けていた。

「藤井若奥様は本当に度量が広くて賢いですね。私のことをいつも考えてくださって。そうであれば、お婆ちゃんが雪乃のことを気に入らないなら、あなたもお婆ちゃんの前で雪乃の良いところを話して、私のためにお婆ちゃんを説得してくれませんか?」

朝本ヒカリは自分がこれほどつらい状況にあるのに、藤井謙信がまさか正妻である彼女に浮気相手のために道を開くよう頼むとは思ってもみなかった。

彼女は拳を握りしめ、深呼吸して何とか藤井謙信の顔に拳を振り上げずにいた。

離婚のためなら、我慢するしかない。

「わかりました、できる限り努力します」

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